人の名前を呼ぶのが苦手な方もいます。私自身、幼いころ、母のことを素直に「お母さん」と呼べないことがありました。また、息子も私を呼ぶ際、どこか居心地悪そうにしていたのを覚えています。こうしたことには、引っ込み事案な性格や、内向的な性質、言葉を発することに対する躊躇などが関係しているのかもしれません。
今年、息子が無事に結婚し、その結婚相手である義理の娘から「お義母さん」と一度呼ばれたことがあります。その時、呼ぶ方も呼ばれる方もぎこちなく感じたのをよく覚えています。また、息子の結婚に際し、両家の顔合わせの場で、息子のお嫁さんのご両親にどのように話しかけるか難しいと感じました。
最終的には(お嫁さんの名前)さんのお父様、(お嫁さんの名前)さんのお母さまと呼びかけ、無事に顔合わせは終わりましたが、やはり名字で呼びかけつつ、相手の顔を見ながら話すのが自然だったように感じます。
名前をお互いに気持ちよく呼び合うことができれば、場の雰囲気も和み、より良い時間を共有できるでしょう。名前を呼ぶという行為が、思いのほか人と人との距離を縮め、信頼関係を深める大切な一歩になるかもしれません。