コロナ：「ワクチン接種が進む日本」でこれから先に見込まれる展開

感染の第6波も、その次の波も必ずくる

　今後の新型コロナとの付き合い方を考えるうえでまず大事なことは、「新型コロナウイルスは今後どのような対策をしても、なくならない」ということです。 　

2021年7月、4回目の緊急事態宣言となった東京や、その後の日本では、「感染の第5波」と伝えられましたが、こうした流行は、今後もくり返すこととなるでしょう。

いずれ第6波や、その次の波もくるということです。

これは、今後ワクチン接種が、どれだけ浸透しても、また3回目の接種が実施されたとしても避けられないでしょう。 　

インフルエンザワクチンを毎年のように打っても、インフルエンザは流行をくり返してきたことと同じです。 　

これらは根本的な対策ではないからです。たとえ流行が下火になり、極端な話、日本では「ゼロコロナ」になったとしても、海外との往来を続けることでまた広がります。 　そして次々と変異株が出現し、やがては別のウイルスとして登場してくると思います。

つまり、新型コロナウイルスはこれからもなくなりません。

ワクチンは「他者軸」による対策にすぎない

　私は、感染症に対する対策には、「他者軸の対策」と「自己軸の対策」とがあると説明しています。 　

「他者」とは、自分の外にあるもの、つまり、自分以外のすべてになります。他人も、人間以外の生物もウイルスも、物質も宇宙も他者になります。

対して、「自己」とは自分のことです。自分の内にあるものです。 　

他者軸の対策とは、「自分の外をなんとかする」という対策になります。

新型コロナウイルスで説明すると、自分の外にウイルスという「自分に害をなす敵がいる」と考えます。ですから、まずは、ウイルス自体に感染しない対策となります。 　手洗い、うがい、マスク、消毒、三密を避ける、ソーシャルディスタンス、ステイホーム、行動制限、イベントの中止、そして、ワクチン接種……です。 　

それでも、感染を防ぐことができずに感染してしまったら、今度は医療機関に頼りながら、自分以外の力で、入ってしまったウイルスから、薬の使用や医療機器の力で回復する方法を考えます。つまり、私たちがこれまでくり返してきた新型コロナウイルスへの対応策は、すべてが他者軸に頼った防御策です。 　

しかし、どんなに他者軸の対策をしても、新型コロナウイルスはなくなりません。ですから、これらを長期間続けると個人も社会も疲弊します。

根本的な対策ではないのです。

「自己軸」での対策こそが根本的なもの

　これに対して、自己軸の対策とは、自分自身の内なる力を高める対策になります。つまり、自分自身の免疫力、抵抗力、解毒力を高めることです。自然な免疫力とは、そもそも身のまわりにある菌(微生物)とふれ合うことで育まれます。 　

常在菌は私たちの体の内外のいたるところに存在する微生物(細菌)ですが、通常、病原性はありません。むしろそれらが叢そうとなり関係し合うことで、体の免疫力をコントロールしています。その代表的なものは腸管の中に存在する常在菌で、いわゆる腸内細菌です。 　

しかし、新型コロナウイルスの感染流行とともに、私たちは、マスクをつけ、ソーシャルディスタンスなど、人とのふれ合いを減らし、何もかも消毒し、外出自体を減らすような生活を続けてきました。 　

「感染するのは悪いこと」「社会に迷惑をかけている」という考え方が、人々の自由な活動を狭め、精神的にも追いつめてきたのです。 　

同じ新型コロナウイルスを同じようにもらっても、なんの症状も出ない人から、亡くなる人まで大きな違いがあるということは、これらはウイルス側ではなく、ウイルスをもらった側の問題なのです。 　

ウイルスをもらっても、「感染するのか？」「発症するのか？」「重症化するのか？」「後遺症が出るのか？」「死亡するのか？」――などは、すべて、ウイルス(他者)ではなく自分の免疫(自己)が決めています。 　

それなのに、連日感染者数の増減をメディアは伝え、そのつど一喜一憂していることは、まったく意味のないことだと感じています。 　

現在の日本では新型コロナウイルスへの感染を、PCR検査での陽性者を「感染者」としてとらえています。

厚生労働省が日々公表しているのは「感染者数」ではなく、「陽性者数」で、同様に東京都が公表しているのも「陽性者数」となっています。 　

しかし、NHKをはじめ、メディアのほとんどは、「検査陽性数」=「感染者数」であり、ときには、「感染者数=発症数=患者数」としてひとくくりにされている場合が見られます。

今こそ明確に区別して伝える段階にあるのではないでしょうか。（yahoo！ニュースより）