世界でもっとも寒い国ロシアを、強烈な寒波が襲っています。
8日(日)には、東部オイミャコンで-59.3度まで気温が下がって、1月としては5年ぶりの低温となりました。
9日(月)には、北部Olenyokで-60.0度まで下がって、53年ぶりの-60度台となりました。
10日(火)には、北部Dzalindaで-62.1度まで下がり、1月の最低気温記録を塗り替えています。
モスクワでも、日最低気温が-20度台の日が4日も続きました。これは平年より10度以上も低い気温で、有名な赤の広場のアイスリンクも閉鎖されたもようです。
記録的暖冬から一変
数十年来ともいえる強烈な寒気に覆われるロシアですが、年末年始は記録的な高温となっていました。
1月1日のモスクワの最高気温は、3月下旬並みの6.2度まで上がって、観測史上もっとも暖かな元日だったのです。同じ日、ヨーロッパの8か国が、1月の国内最高気温を更新しています。
ところが8日(日)朝には、モスクワで-23.0度まで気温が下がりましたから、1週間で30度近くも気温が下がったということになります。
「冬将軍」の行方
この寒波の一因は、ジェット気流の大きな蛇行です。寒気と暖気の境目を吹くジェット気流が、ロシア上空で南に垂れ下がり、北極から強烈な寒気が降りてきてロシアに流れ込んでいます。
この寒気の中心は、今後東へと移動していき、中央アジアやモンゴル、中国などに広がっていきます。
キルギスタンなどでは最低気温が-20度を割り込む見込みで、中央アジアでは記録的な低温となる可能性も出ています。
寒気は、その後弱まりながら東へと広がって、モンゴル首都では-36度、ウラジオストクでも-20度まで下がる予想となっています。そうして来週にかけては、朝鮮半島や北海道にもやってくるようです。
冬将軍は東へと進路を進め、アジアに勢力を広げていきます。