こんにちは!ウインの勝山です。
ヤフーニュースより引用致しました
見出し
ロシアの謎の軍事衛星「コスモス2499」が軌道上で分解、デブリが発生
2014年のコスモス2499の打ち上げの様子 (C) GKNPTs Khrunichev
軌道上の物体を監視している米国宇宙軍の第18宇宙防衛隊は2023年2月7日、ロシアの軍事衛星「コスモス2499」がブレイクアップ(分解)し、破片が発生したと発表した。 【画像】1月28日には、運用を終えデブリとなったロケット機体と衛星が、約6mの距離にまで接近するなど、ロケット、人工衛星の数の増加に併せてデブリに対する懸念も高まっている。 コスモス2499は2014年に打ち上げられ、何度も軌道を変え、他の衛星に接近する動作を見せており、衛星攻撃兵器の試験機という見方もある。 コスモス2499のブレイクアップ 米国宇宙軍の第18宇宙防衛隊によると、コスモス2499が分解したのは日本時間2023年1月4日12時57分ごろと推定されている。現時点までに85個の破片が発生したことが確認されている。 コスモス2499は遠地点高度1512km、近地点高度1156km、軌道傾斜角82.44度の極軌道を周回しており、分解時の高度は1169kmだった。 分解した時点で、コスモス2499が運用中だったかはわかっていない。 分解の原因はわかっていない。一般的に衛星が分解する場合、タンクや配管に残っていた燃料に引火したり、高圧ガスタンクが破裂したりといった原因のほか、バッテリーの破裂、スペース・デブリ(宇宙ごみ)や微小隕石の衝突などといった原因も考えられる。 2月8日の時点で、ロシア国営宇宙企業ロスコスモスやロシア国防省は、本件に関するコメントは発表していない。 同衛星は2021年12月にも、18個の破片が発生したことが確認されている。ただし、このときはいわゆるブレイクアップと呼ばれる大規模な分解ではなく、衛星の原型は保たれていたものとみられる。 発生したデブリは、宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション(ISS)などにすぐさま被害を及ぼすおそれはないものの、軌道の高度が高いことから、今後何十年にもわたって軌道にとどまると予想される。 今回コスモス2499が分解した軌道を含む、高度950~1050kmの極軌道は、運用を終えたロケット機体や衛星がとくに多い領域であり、それらが分解するなどして生まれたデブリも多い。また、デブリと衛星、あるいはデブリ同士の衝突も起きやすい。 たとえば今年1月28日には、運用を終えデブリとなったロケット機体と衛星が、約6mの距離にまで接近、ニアミスしている。両者はともに、高度約1000km、軌道傾斜角約93度の軌道を回っている。 軌道上の物体を監視、追跡している米国の民間企業レオラボズ(LeoLabs)によると、2022年6月から9月の間だけで、この領域で約1400件のニアミスがあったとし、衝突が発生しやすい「危険な領域(bad neighborhood)」とも呼んでいる。 謎の衛星コスモス2499 今回分解したコスモス2499は、謎の多い衛星として知られている。 2014年5月23日に打ち上げられた時点では、米軍はこの物体を、軍用通信衛星の打ち上げにともなって放出されたデブリのひとつとして分類していた。しかしその後、この物体が自ら軌道を変えたことが判明。さらに、打ち上げに使ったロケットの上段機体に接近するような動きも見せ、その後も軌道を変えながら、何度も接近を繰り返した。最終的に米軍は、この物体についてデブリではなく衛星であると再分類した。 また、打ち上げに使ったロケット機体に接近を繰り返したことについて、米国などからは「他国の偵察衛星に接近して監視する技術、あるいは体当りしたり自爆したりして攻撃する『キラー衛星』の技術を試験する衛星なのでは」という見方も出ている。 こうした見方に対し、2014年にロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)のオレグ・オスタペンコ長官(当時)は、キラー衛星であることを否定し、「ロスコスモスとロシア科学アカデミーが協力して開発した、教育機関による研究など、平和的な目的のための衛星である」と発言。モスクワ物理工科大学もまた、同衛星のプロジェクトに参加していることを明らかにしている。 ただ、このときオスタペンコ長官は「ミッションは完了した」と発言しているものの、その後も軌道を変えるなどの動きをしていることがわかっている。 また、この衛星を開発したとするロシアの衛星メーカー、JSCレシェトニェーフは、同衛星にはケルディシュ研究センターが開発したプラズマ・エンジンとイオン・エンジンを搭載していると明らかにし、「軌道変更や軌道修正、軌道の維持を、従来の推進システムより少ない燃料で行うための試験が目的だ」と主張している。ただ、地上からは同衛星が急激に軌道を変える様子も観測されており、低推力の電気推進エンジンでは不可能な動きであることから、従来からあるような化学推進スラスターを使っている可能性が高い。 なお、同様の不審な動きを見せた衛星は、2013年や2015年、2017年、2019年にも打ち上げられており、その目的がなんであれ、継続的に試験を行っていること、それだけロシアにとって優先度が高い重要なプロジェクトであることが伺える。 参考文献 ・18th Space Defense SquadronさんはTwitterを使っています: 「#18SDS has confirmed the breakup of COSMOS 2499 (#39765, 2014-028E) – occurred Jan 4, 2023 at appx 0357 UTC. Tracking 85 associated pieces at est 1169 km altitude – analysis ongoing. #spacedebris #space @SpaceTrackOrg @US_SpaceCom @ussfspoc」 / Twitter ・Kosmos-2499: Is it a spy or an assassin… or both? 鳥嶋真也 とりしましんや 著者プロフィール 宇宙開発評論家、宇宙開発史家。宇宙作家クラブ会員。 宇宙開発や天文学における最新ニュースから歴史まで、宇宙にまつわる様々な物事を対象に、取材や研究、記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。
ロシアの技術は、平和利用してほしいですね!!! 心よりお祈り申し上げます。
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