第1〜4話に続く、旧家の一人娘、アラ還会員さんのお話です。
彼女が結婚して実家を離れ、
しばらくして、ご両親も施設入所されました。
「綺麗になったこの家から、両親を送り出してあげたい」
彼女は、淡々とそう語っていました。
空き家となった実家は、大きな旧家です。
家財道具を前に呆然とするばかりで、一向に片付けが進みません。
私は、信頼するお手伝いの方を紹介しました。
家中の、思い入れのある細かな物の一つ一つにまで丁寧に向き合ってくれたと、
彼女は、その方の誠実な仕事ぶりに、
たいそう喜んでくださいました。
「実家を片付ける」という単なる事象ではなく、
「親が大切にしてきた家をきれいに整えて、
ここから送り出したい」
という娘の願い…
人は、ある時期は支えられ、
やがて誰かを支える側になり、
また別の場面では、別の誰かに支えられる。
今度はその経験が、誰かの希望になる。
その繰り返しなんですね。
一本の人生の中で、人は何度も立場を変えながら歩いていく。
「たくさんの人に支えられて〜」というタイトルが、支えられることだけではなく、支え合いの循環を表していることに、自分でも気づかされました。

