「キツネダンス」を踊るファイターズガール＝札幌ドームで2022年9月28日、貝塚太一撮影

　プロ野球パ・リーグで最下位となった日本ハムで今年、大化けしたのは「キツネ」だった。一大ブームを巻き起こした「きつねダンス」は「BIGBOSS」とともに新語・流行語大賞の候補に入り、大盛り上がりを見せた。今さら聞けない人気の理由を詳しく紹介する。 【写真特集】ドーム最終戦まで人気の「きつねダンス」 　◇仕掛け人は元ファイターズガール 　10月20日のドラフト会議。日本ハムから1位指名を受けた日体大の矢沢宏太投手（22）は夢だったプロへの切符を手にした。ん？　頭の上には、不似合いなキツネの耳のカチューシャがちょこんとのせられていた。 　日本ハムの試合の合間にグラウンドで繰り広げられるきつねダンス。チアリーディングチーム「ファイターズガール」が青のミニスカートに身を包み、手首を曲げる小ギツネポーズを披露する。小首をかしげる動きもあざといまでにキュート。モフモフのキツネ耳を付けて見せる笑顔は、もはや憎らしい！ 　採用曲はノルウェーの兄弟ユニット、イルビスの「The　Fox」。♪リン・ディン・ディン・ディン……ワ・パ・パ・パ・パ・パ・パウ！　歌詞の中で問い掛けられる「きつねの鳴き声はいったい何？」という質問の答えがサビにあり、さまざまな鳴き声を繰り返すナンセンスさが癖になる。 　仕掛けたのは元ファイターズガールの尾暮沙織さん（35）。選手たちが参加する「噂（うわさ）のきつねダンス　俺たちはみんなと踊りたい」と題した動画を公開したところ、SNSを通じて一気に拡散した。 　◇SNS時代のヒットの法則 　なぜ、ここまで注目を集めたのか。エンタメ社会学者の中山淳雄さんは、ヒットの法則をこう読み解く。まず、踊りが簡単でまねしやすい。そのため、動画投稿アプリTikTokの「踊ってみた」にはまり、ダンス動画を投稿する人が急増。人気アイドルら有名人も参加したことで一気に知名度が上がった。 　中山さんが重要な役割を果たしていると指摘するのは、キツネの耳のカチューシャ。「コンサートならペンライト、プロレスならタオル。これらを手にすることで、共同体に参加した実感が一気に高まる。きつねダンスは二つの耳と、ちょっとした勇気さえあれば踊れる」 　ニッセイ基礎研究所の研究員の広瀬涼さんはこう解説する。「耳のカチューシャはすでにSNS映えするアイテムとして定着した。今や『かわいい』を表す記号になっている」。背景には、動物を美少女に擬人化させたアニメ・ゲーム作品「けものフレンズ」や、競走馬の名前の少女キャラクターを育成するゲーム「ウマ娘プリティーダービー」の人気があったという。 　「動物を擬人化するという手法はすでに市場で確立されていた。ディズニーランドでミッキーの耳を付けるのと同じように、球場でキツネのカチューシャを付けると盛り上がれる」。広瀬さんは動物の中でもキツネに着目。カップ麺「日清のどん兵衛」のCMで女優の吉岡里帆さんが耳としっぽを付けて扮（ふん）する「どんぎつね」が、好感を持たれたことも伏線にあると捉える。 　日本ハムの新球場となる「エスコンフィールド北海道」でも、喜びのダンスを見てみたい。【山崎明子】

本当ですね～、新球場の問題もありますからね～(笑)　可愛い　「きつねダンス」

楽しみにしております。

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