薬剤治療の効果はあったようで、イサオさんの症状は改善し、心配していたアルハラについても、社内で問題化することはありませんでした。ただ、イサオさんは、後輩や部下を傷つけたり、不快にしたりするつもりはなくても、相手にとって「ハラスメント」と受け取られる可能性があることを身をもって理解しました。それ以降、普段の仕事の場面であっても、気楽な酒席であっても、自身の言葉が周りにどう影響するかについて、より慎重に考えるようになりました。 アルハラやパワハラに類する出来事が、労災申請や民事訴訟に発展するケースは決して少なくありません。問題発言などを「やらかした人」は、普段はまったく問題ない人間性を持っていたとしても、ハラスメント的な言動によって、その言葉や行為だけがいさめられるのではなく、その人の存在ごと否定されてしまう風潮があるのも事実です。 余計な一言が、「酒の席でのこと」では済まされない時代であることをあらためて認識しておかなければなりません。 参考)アルコールハラスメント(略称、アルハラ) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-018.html (厚生労働省 e-ヘルスネットから要約)特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)では、アルハラを以下の5項目と定義しています。 ・飲酒の強要: 上下関係・部の伝統・集団による、はやしたて・罰ゲームなどといった形で、飲まざるをえない状況に追い込むこと。 ・イッキ飲ませ: 場を盛り上げるために、イッキ飲みや早飲み競争などをさせること。 ・意図的な酔いつぶし: 酔いつぶすことを意図して、飲み会を行うことで、傷害行為にもあたります。 ・飲めない人への配慮を欠くこと: 本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめる、宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、飲めないことをからかったり侮辱する、など。 ・酔ったうえでの迷惑行為: 酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他のひんしゅく行為。
~ Plusココロブルーへのサプリ この一曲 ~
Elton John – Goodbye Yellow Brick Road
1970年代から活躍するシンガーソングライターのエルトン・ジョンは、青年期に飲酒によるトラブルを繰り返し、約30年前から現在に至るまで断酒を続けています。2020年夏の彼のTwitterでは、「ここまでこられたのも、私を鼓舞し支えてくれた人たちがいたからです。心からありがとう」と、家族や音楽仲間への感謝をつづっています。初期の作品である「Goodbye Yellow Brick Road」は、以前にテレビCMでも使われていたので、耳にしたことがある方も多いかもしれません。ミディアムスローのテンポに乗って、キャッチーなメロディーがドラマチックに展開し、聴き手の心にじんわりと染み渡ります。6年前に発表されたアルバム「Diamonds」は、エルトンと作詞家バーニー・トーピンとの格別なパートナーシップの50周年を祝った作品で、彼の不朽の功績を振り返ることのできる最高のコンピレーションとなっています。 Elton John – Goodbye Yellow Brick Road https://www.youtube.com/watch?v=wy709iNG6i8
小山 文彦(こやま・ふみひこ)
東邦大学医療センター産業精神保健職場復帰支援センター長・教授。広島県出身。1991年、徳島大医学部卒。岡山大病院、独立行政法人労働者健康安全機構などを経て、2016年から現職。著書に「ココロブルーと脳ブルー 知っておきたい科学としてのメンタルヘルス」「精神科医の話の聴き方10のセオリー」などがある。19年にはシンガーソング・ライターとしてアルバム「Young At Heart!」を発表した。 2021年5月には、新型コロナの時代に伝えたいメッセージを込めた 新曲「リンゴの赤」 をリリースした。
アルハラ!!! コロナで3年みんなで集まる飲み会も控えてましたから、
このまま、引き続き、控えましょうかな~(笑)
酔っぱらって、いろんな。○○ハラにならないように(笑)