結婚という節目は、今後の人生の生き方について、向き合う良いきっかけです。 「こんな人生を送りたい！」という理想はありますか？ パートナーと共に、その理想的な人生を歩むためには、『ライフプランの設計と準備』が必要です。
ライフプランを考えるヒント
ライフプランとは人生設計のことです。 ライフプランを設計しておくことで、結婚や出産、転職といったライフイベントが起こるタイミングを把握できます。そのため今後の人生の見通しが立てやすくなります。それだけではなく、その時に必要になるお金の額も把握することができ、今から準備できるようになります。 ではまず始めに、今後起こりうるライフイベントを考えてみましょう。女性においては、自身の身体や役割が変化する、妊娠・出産・育児といったライフイベントがポイントになります。
妊娠、出産のタイミング
まず、今後子どもを望むのかを考えることからはじめましょう。パートナーとも、「子どもを望むのか」「子どもをいつ欲しいか」、「何歳差で何人欲しいのか」など意見を擦り合わせておく必要があります。 もし子どもを望むのであれば、妊娠・出産のタイミングを考えることが大切です。今後仕事はどうするのか、産休・育休はとれるのか、子育てのサポートは受けられるのかなど、現在の自分の状況や環境を振り返り、考えておきましょう。 また、カップル全体の4.4組中1組は不妊治療をしている現代。不妊治療は珍しいものではなくなりました。もし自身とパートナーが不妊治療をすることになった場合、子どもを望むという共通認識はとても大切ですし、治療のモチベーションにもつながります。不妊治療をする場合は、仕事の調整も必要になることがありますので、不妊治療をしてまで子どもを望むのかということも考えてもいいのかもしれません。 すぐに子どもを望まないとしても、妊娠・出産のタイミングを計画することは重要です。そうすることで、妊娠や出産に向けて妊活の開始時期を考えたり、産前産後のキャリアについて考えることができます。
出産後の働き方
出産後に復帰し共働きをするか、育児に専念して専業主婦になるかという選択肢があります。 一旦育児に専念しても、子育てが一段落した頃、また仕事に戻るということも考えられます。 仕事復帰のタイミングも、ライフプランを考える上で、大事なポイントです。ご自身が望むキャリアと会社の環境、ご家庭の状況を考慮して、現職でキャリアを積むのか、転職して環境を整えるのか、専業主婦になるのか等、取るべき行動を検討しましょう。 もし結婚や出産のタイミングで引っ越しをご検討の方は、引っ越し先の地域の『子育て支援』を調べてみましょう。いざ必要となった場合に慌てて探すことのないよう、保育園や幼稚園だけでなくどのような地域のサポートがあるのか事前に知っておくことをおすすめします。 子どもが小さいときは何かと手がかかります。急な発熱や体調不良で預け先から呼び出されることも。そういった場合に自分で対応可能なのか、ご家族やご親戚が近くにいてサポートしてくれるのか、時短勤務やパートになって子育てをしていくのかなども考えておくと、子育てがしやすくなるかもしれません。
お金の計画
ライフイベントには大きな支出も伴いますので、ライフイベントとお金はセットで考えましょう。 人生で3大支出と言われているのが教育資金、住宅資金、老後資金です。それぞれ多額のお金がかかるため、どれくらいの資金が必要なのか、いつまでにどのくらい貯めておく必要があるのか、調べておきましょう。 それだけでなく、子どもを育てるにもお金が必要です。2002年の内閣府の調査では、5歳までの子どもを育てる費用としてだけでも年間100万円以上かかります。 パートナーとともに子育ての資金も計算しておきましょう。
ライフプラン実現のためにすべきこと
ライフプランは、計画通りにはいかないことも。 その時の状況に合わせて計画を柔軟に変更していきましょう。 少しでも理想のライフプランを実現させるために、活用できる制度や行動があります。
仕事を続けるための制度
もしあなたが、「出産しても同じ職場で働き続けたい」と思うのであればそれを実現するための制度を活用しましょう。 ライフイベントにはお金も必要ですから、制度をうまく利用して、働き続けていきたいですね。 社会や会社の制度としては、以下の制度があります。 制度が改正され、取得条件が緩和しているものもあります。ぜひ参考にしてみてください。
■産前産後休業(産休) 労働基準法で定められた、出産準備や育児のために休業できる制度です。 産前休業は出産予定日の6週間前から（双子以上の場合は14週間前）取得可能で、産後休業は出産翌日から8週間取得できます。 産休や育休といった制度は正社員だけが取得できる制度だと思いがちですが、そんなことはありません。雇用形態を問わず、派遣社員・パート・アルバイトといった非正規社員でも取得できると定められています。 産休などの期間中は、社会保険料が免除されたり、出産のため会社を休んだ場合にもらえる「出産手当金」というものもあります。 ■育児休業(育休) 子どもが1歳になるまでの間、育児のために休業できる制度です。以前は勤め先での雇用期間が1年以上必要でしたが、令和4年から撤廃されました。誰でも取得しやすい制度になりました。 育児休業中は、「育児休業給付金」を受け取ることができます。 育休は基本的に子供が1歳になるまでですが、1歳以降も、保育園に入園できないなどの理由があれば、最長で2歳まで延長可能です。 また、育児・介護休業法の改正で、「産後パパ育休」という新しい制度が始まりました。産後パパ育休は、パパが生後間もない子どもを養育できるように、出生後8週間以内に、合計4週間まで育休を取ることができるという制度です。また、子どもが1歳になるまで取得できる通常の育休もあわせて取ることができます。 年々制度が変わり、男女共に育休を取得しやすくなってきています。 その他、子どもがケガや病気をしたときの子の看護休暇の制度や、会社の独自の制度として育児休暇もあります。ご自身の会社の規定を確認してみましょう！
妊娠、出産の前に準備できること
妊娠や出産を希望する女性には、自分の体について知っておくことをおすすめします。 子どもはまだ先でいいから、自分には関係ない話だと思う人もいるでしょう。しかし、妊娠を希望した時に、すぐ授かるとは限りません。 実は、不妊の心配を経験した夫婦は 3 組に 1 組以上いると言われています。
あらかじめ体についての知識を持ち、何かあった時に行動できるようにしましょう。 ⚫️女性は生まれた時に卵子の数が決まっており、年々数が減っていくことを知っていますか？ 皆さんそれぞれ卵子の数は違いますので、まだ若いからたくさんある！とは一概に言えません。⚫️女性は35歳以降妊娠率が低下していきます。 もちろん男性の精子も年齢とともに量や運動率が低下します。 ⚫️がん検診は受けていますか？ 子宮頸がんや乳がんなど、若くてもリスクはあります。年齢とともにがんのリスクも上がるので、検診は受けるようにしてくださいね。 妊娠の可能性を残すためには、早期発見・早期治療が重要です。 いかがでしたか？ ライフプランを考えると、自分の価値観や理想像がはっきりしてきて、そのために今、必要なことが見えてくると思います。 将来の理想の暮らしを実現するために、ライフプランを考え、今から出来ることをはじめましょう！
Q&A 「どうやってキャリアプランを立てればいいの？」
【ご相談】 女性会社員27歳です。就職して3年が経ちました。仕事を一通り覚えて自分でもある程度できるようになってきました。職場の面談でこれからのキャリアプランについての話があったのですが、結婚や妊娠出産のことを考えるとどのように進めていけばよいかわかりません。 先輩たちも色々で、子どもがいながら仕事をしている人や未婚の人もいます。今はパートナーがいるわけではないのですが、いつかご縁があれば家族を持ちたいなとふんわりと想像しています。今からできる準備などあれば教えて欲しいです。
【アドバイス】これからのライフプランについて考えていらっしゃるのですね。キャリア、ライフイベント、自分の夢などどのように組み立てていったらよいか悩ましいですね。 「今すぐではないけれど、いつか子どもを」と考えると、妊娠や出産の時期はお仕事をお休みすることになりますね。キャリアを考える中でいつ頃子どもが欲しいか、何人くらい欲しいかというところは考えておくポイントです。 また、妊娠には妊娠適齢期があり、35歳をきっかけに妊娠率が徐々に低下していく自然な変化があります。そのため、もし妊娠を希望する時期が後ろになると、妊活に必要な期間や費用が多くかかってくる可能性があります。 また、ご自身が妊娠できる身体かどうかをセルフチェックしておくと、いざというときにスムーズに妊活を進めることができますので、生理周期やご体調に目を向けてみることもよいでしょう。
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