前回のブログの、旧家の一人娘、アラ還会員さんのお話です。
登録直後からお問い合わせも多く、
「若い頃は、さぞかしモテたのでしょうね⁈」
私がそう尋ねると、彼女は懐かしそうな表情で、
「誕生日に、50本の赤い薔薇の花束をくださる方が2人いました。」
と話してくださいました。
多忙な仕事に加えて、選択肢が多かったことも、人生を複雑にする要因の一つだったのかもしれません。
ところが、46歳のある日、突然、病が彼女を襲いました。
そして、後遺症との付き合いが始まったのです。
それから10年を越える時を経て、ご両親との3人の穏やかな生活の中に、彼女自身の幸せに直結する「婚活」が入ってきました。
それは、想像以上に彼女の生活に潤いをもたらし、止まっていた時間が再び動き出したかのようでした。
「プロフィール写真の撮影会が楽しかった。」
「今日はお見合いに履いていく靴を、明日は洋服を見に行く。」
まるで少女のように、声が弾みます。
「婚活を始める」と決めたことで、こんなにも味わえる喜びがあるのです。
彼女は、とても快活で嬉しそうでした。
婚活が進んでいく中で、お見合いの申し込みをいただいたり、断られたり……。
お見合いが成立することは、決して当たり前のことではないということも経験しました。
また、お見合い相手の元気でハツラツとしたご様子と、つい自分を比べてしまう。
病を抱える自分を嘆いたり、
交際中に、お相手の自分本位な言葉に傷ついたりしたこともありました。
体調がすぐれない。
不注意から怪我をした。
そうしたことが重なる中で、彼女の苦しい胸の内が、徐々に見え始めました。
「少し休みましょう。
また、元気になったら再開すればいいのだから。」
私は、休会を勧めました。
話を聞いているうちに、今の主治医には、なかなか自分のことをすべて打ち明けるのは難しいのかもしれない、そんな気持ちが伝わってきました。
今は、婚活を続けることよりも、まず彼女自身が安心して相談できる人とつながることが必要なのではないか。
そう思ったとき、ふと、元主治医の中で親身になってくれた人がいたと、聞いていたことを思い出しました。
「以前、お世話になったドクターが、
『何かあったら相談するように』
と言っていませんでした?」
「ああ、そういえば、そんなことがありましたね。
ずいぶん前だから、憶えているかしら?
思い切って連絡してみようかな……」
彼女の人生には、これまでも、きっとたくさんの人が関わり、支えてくれる人がいたでしょう。
そして、今もまた。
人生は、誰かの支えを受けながら、少しずつ前へ進んでいくのかもしれませんね。

