スプレータイプの消毒用アルコールをこんろの近くで使用すると炎が大きく広がった=岐阜市茜部本郷、岐阜南消防署
新型コロナウイルス感染症予防のため身近になった消毒用アルコール。主な成分のエタノールは引火しやすく、火のそばで使用すると火災につながる恐れがあるとして、岐阜市消防本部予防課は「消毒用アルコールはこんろやストーブなど火気の近くで使用しないで」と呼び掛ける。岐阜新聞社は、同課、岐阜南消防署の協力で注意喚起の動画を作成し、岐阜新聞Webで公開している。 消毒用アルコールは、アルコールの濃度が60%以上の製品が消防法上の危険物に該当し、火気厳禁などの表示がある。蒸発しやすく可燃性蒸気となるため、引火の危険がある。危険を避けるために注意が必要なのは▽火気の近くで使用しない▽詰め替えを行う時は換気をする▽直射日光の当たる場所や高温となる場所での保管は避ける-など。長引くコロナ禍で、調理や食事の前は「まず消毒」を習慣付けている人も多い。動画では、安全を確保して行った複数の実験を紹介している。 例えば、ポンプ式の消毒用アルコールをこんろやストーブの近くで噴霧したところ、引火して炎が大きく広がった。手指を消毒した直後、たばこを吸おうとライターの火を近づけると、手に火が燃え移った。エタノールの炎は青いため、燃えていても明るい所では見えにくく、気付かないうちに火災につながる恐れがあることも伝えている。 岐阜市消防本部予防課は「注意点を確認し、安全に感染予防対策を行ってほしい」と呼び掛ける。