猫は執念深いと言われていますが、それは違うと思います。
優しくしてくれる人間にはずっと感謝の気持ちを忘れません。
数年前に亡くなった猫のお話しをします。
しゃべる猫であり、人間が言うことを理解する頭の良い猫がいました。
母が生きていた時、ずっと家にいた母になついていました。
猫の名前は 夢(ムーたん)です。
母はムーたんは、話がわかると言い出して、そんな馬鹿なと思いました。
母は「ムーたんここにおいで」とトントンたたくと、本当に母のところへ
行きました。
母が亡くなり、私になつくようになり、私も試して
「ムーたん、ここにおいで」と言うと私のそばに来ます。
嫌なことがあるとムーたんに嫌なことを話をすると
じっと聞いてくれて、「ニャン」と言ってくれます。
まるで話を理解しているように感じました。
ムーたんはいつも私にべったりでした。
そんなムーたんが13歳のころ、急に具合が悪くなりました。
日に日に悪くなり、ぐったりすることが多くなりました。
もう動くことができなくなってしまい、悲しくて悲しくて見てられません。
声も出せなくなるくらい、悪くなり息をしているのがやっとです。
猫部屋を覗いてみると、ムーたんが私の顔を見て
少し起きて、ものすごい大きな声で「ニャーン」と言ったのです。
最後の力を出して言ったのです。
その顔は今でも覚えています。
そしてそのまま又、ぐったりしてしまいました。
もうダメと思い、一緒に寝ることにしました。
朝、亡くなりました。
大きな声で「ニャーン」は「ありがとう」と聞こえました。