〔嵐山の降雪〕 物静かな穏やかな口調で話を始めた彼は、静かに詳細を話し始めた。
「体調が悪い・」と言っていた妻が突然病に伏し、思い掛けない難病と診断されて程なく
寝たきりの状態となり自宅での介護が始まった。それまでは家庭の事はすべて妻に任せ
自分は只仕事だけをしていたと言う。専業主婦だった妻にすべて任せっぱなしだったが
家事、料理等、大好きだった妻はご近所の方との交流もあり、いつも楽しそうだった。
定年退職後も延長しての勤務だったが、妻の発病と同時に退職し看病と家事が始まった。
ヘルパーさんに手伝って頂き、夢中な毎日があっという間に３年経ち妻は他界した。
子供には恵まれなかったが、大学の時に出逢いその時の儘の仲良しの二人だった。
考えてみると結婚してから妻とゆっくり話せたのは、妻が病に倒れてからだったが、
それがとても充実した幸せ時間だったと思えるのは、やはり幸せだったと思う。
あれから２年が過ぎ健康に恵まれながらも、何もする事のない虚しさが辛さになり
病気の妻に頼られて夢中で過ごしていた看病の３年がいかに頼られ充実だったかと
しみじみ実感しているらしい。話し相手のいない寂しさ、自分の為だけに造って
1人で只々食べるお料理の味気なさ。ひとしきり話をして結婚を前向きにしたいと
婚活の準備が動き出した。頼られ慕われ必要とされ会話が出来一緒に食事する至福。
改めて学ばせて頂く人それぞれの人生の悟り。「人生は縁の結び方」良縁を探したい♪
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