人間の日常生活には様々な矛盾がつきものです。

 

例えば「ダイエットしたい!」と思いつつも「甘いものは大好き!絶対やめられない!」という気持ちもあっていつも気持ちが揺れ動きます。

 

「お酒は体に悪い」と知っていながら「毎日呑みたい」という思いに駆られて「たくさん飲まなければ『酒は百薬の長』だから毎日呑んでもいいんだ!」などと言い訳をして呑んでしまった後に後悔したりします。

 

人間は機械とは違い、すべてを白黒つけられず、矛盾した言葉、つじつまの合わない話の中で揺れ動く心を持っています。別々のところで生まれて育った人同士が一緒にいるようになると相手の言葉と行動に矛盾がたくさん見えてきます。それは本人にとっては当然のことであっても、別の人が傍から見たらこの矛盾が何とも滑稽だったり、違和感を覚えたりするわけです。

 

 

 

「今日の夕飯、何食べたい?」「なんでもいいよ」「じゃあハンバーグにするね」「今日ランチで食べたから違うのがいい」なんて会話をあなたはどう思いますか?「なんでもいいって言ったのにハンバーグはダメなわけ?じゃあ、はじめからそう言ってよ!」と問いただしたくなるのではないでしょうか。

 

もしこれをあなたがいちいち「納得がいかない」と突き詰めて考えてしまうとしたら、相手はどう感じるでしょうか?こんな時、「なんでもいい」といった本人は何のためらいもなくそのように思ったまま言っているので、その当たり前のことを「なぜ?どうして?」と問い詰められたりしたらきっと息が詰まります。あまり問い詰められると逃げ出したくなるかもしれません。また、矛盾が気になるあなたの方も毎回毎回その矛盾に真っ向から挑んでしまっては疲れてしまうでしょう。

 

 

 

もともと人間は矛盾だらけな生き物です。人間だけではありません。この現世のすべてが矛盾していると言えます。丸く見えるものが横から見たら四角だったり、Yesといったものが実はNoだったり・・・・。「ふくよかな人が好き」と言いつつ細身のスレンダーな人と付き合っていたりするのです。

 

そうだったのであればそのようにさらっと、そうでないのであればやんわりと向きを変えてみる。そんな、風に吹かれる柳の枝のような、柔らかくしなやかな心でいましょう。ガチガチに凝り固まった考えでは人の世の“矛盾”と共存していけません。ましてパートナーとの共同生活の中ではこの矛盾を片目をつぶって見逃すくらいの寛容さが必要です。矛盾に気が付かないくらいの人の方が結婚生活に向いているかもしれませんね。