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≪「若者の恋愛離れ」は本当か≫”クリぼっち商戦”拡大…背景に「恋愛至上主義」からの目覚め?
若者の恋愛離れは本当か ”クリぼっち商戦”拡大…背景に「恋愛至上主義」からの目覚め?
近年、「一人焼肉」や「一人カラオケ」などの単独での行動をポジティブにとらえる「ソロ活」という言葉を聞くようになったが、この動きはクリスマスでも例外ではないらしい。 多くの若者が、クリスマスを一人で過ごすことに対して「気にしない」と回答する調査結果もあるなか、一人でクリスマスを楽しむ人たちに照準を合わせた商品やサービスを展開する企業も現れている。 今年、「20代男性の4割がデート経験をしたことがない」と内閣府が発表。若者は「恋愛離れしている」「草食化している」との指摘も上がったが、それに異を唱える専門家もいる。 クリスマスを巡る、企業の新しいマーケティングと若者たちの価値観を追った。
■企業が「クリぼっち」に熱視線
ルミネのキャンペーン ”ご自愛アイテム”が手に入る
今年、商業施設「ルミネ」では、“Xmas for me”をコンセプトに、お菓子や入浴剤など、「ご自愛アイテム」が手に入るイベントを開催。各店でガチャガチャができるほか、ルミネ新宿では今月23日からの3日間、ご自愛アイテムの詰め放題イベントも開催される。 ルミネ・営業本部の渡名喜暁子さんは、近年、自分を甘やかす「ご自愛アイテム」の需要が高まっていることを背景の一つに、今回のコンセプトを掲げたと説明する。クリスマス商戦のターゲットを「誰かと過ごす人」に限定せず、「お一人さま」などにも広げた形だ。すでに多くの女性客がイベントに参加していて、好評だという。
ロッテリアが展開する「Xmas クリぼっちキンパック」
また、ロッテリアは15日、「お一人さま」での利用でも、イベントを「手軽に楽しく味わってほしい」という思いから、「Xmas クリぼっちキンパック」を発売。25日までの期間、バケツに入ったチキンとポテトにドリンク1杯がついて、クーポンの提示で、通常700円のところ特別価格の500円で販売している。 2019年から展開しているこの商品だが、ロッテリア・マーケティング部の緒方高行部長によると、テイクアウト需要もあって、毎年の売上も好調だという。感染予防対策など様々な外部環境があるため、一概には言えないものの、クリスマスに「お一人さま」で来店する人も多い傾向だそうだ。
■「クリスマスに一人」7割以上が“気にしない”
「クリスマスをひとりで過ごすことについて」BIGLOBE調べ
人々が今年のクリスマスをどのように過ごすのか。「BIGLOBE」が、全国の20代~50代の男女1,000人を対象に、年末年始の過ごし方に関する意識調査を実施した。 「クリスマスの予定」についての質問に57.8%が「予定はない」と回答。 また、「クリスマスをひとりで過ごすことについて」は、全体の74.2%が「あまり気にしない/気にしない」と回答している。年代が上がるにつれ、上記の回答をする人の割合は多くなるものの、20代に限定しても約6割が気にしていない。 クリスマスに予定がない人は、マイノリティではないし、実際に一人で過ごすこと自体を否定的に捉えない人が多くいることが分かる。
■「20代男性の4割“デート経験なし”」にネット騒然
「4割デート経験なし」の記事 多くの反響を呼んだ
今年は、この他にも「若者の恋愛」を巡って様々な調査が行われ、その結果を巡って、SNS上では大きな話題となった。 政府が今年6月に閣議決定した「男女共同参画白書」。 20代では男性のおよそ7割、女性ではおよそ5割が「配偶者、恋人はいない」と回答。また、「これまでのデートした人数」について「ゼロ」と答えた人が20代の独身男性では、およそ4割に上ることが分かったのだ。 このニュースがテレ朝newsのTwitterアカウントに投稿されると、3万を超えるリツイートがされ、「デート経験なし」がトレンドワードになるなど、多くの反響を呼んだ。 また、10月には「結婚」に関しても、こんな調査結果が。 18歳から34歳の未婚の男女(7826人)を対象に行われた国立社会保険・人口問題研究所の調査によると、「一生結婚するつもりはない」と答えた人の割合は、男性で17.3%、女性で14.6%と、男女共に過去最高となったことが分かったのだ。 いずれのニュースも、ネットで多くの反響を呼び、「若者は恋愛離れしている」との指摘も上がった。 平成生まれの私自身は、もてない学生時代をおくってきた。しかし、私の周りには常に異性から人気で、恋愛に積極的な同級生たちも一定数いた。 素朴な疑問だが、本当に若者は「恋愛離れ」しているのだろうか。
■「若者は恋愛離れしていない」「草食化もしていない」
独身研究家 荒川和久氏
独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者・荒川和久氏に話を聞くことができた。 インタビューの冒頭、返ってきたのは「若者は恋愛離れしていない」「草食化もしていない」という、歯切れの良い回答だ。 統計を追える1980年代以降の範囲だが、今も昔も、恋愛しているのは3割の“恋愛強者”しかいないという。 荒川氏 「そもそも皆婚時代の半分以上はお見合いで成立していたんです」 そして、今は3割の“恋愛強者”が結婚せずにいることが未婚化や婚姻減少の一つの要因だと指摘する。 荒川氏 「今は、“恋愛強者”が別に結婚しなくてもいいや、という空気感になっている」 「もてる人はもてまくるわけだから、『1人の女性と結婚しなくてもいいじゃん』となっちゃう」「すると、弱者の中から強者に変わる人が生まれなくなる。ずっと同じ人間がもてまくる」
■“恋愛至上主義”からの目覚めとクリスマス商戦の変化
ショーケースに並ぶ”一人用”カットケーキ
また、荒川氏は、社会の環境や空気感も変わったと見ている。 「1980年代は”恋愛至上主義”時代だった。至る所で『恋愛こそが最高のものである』と」 トレンディドラマ真っ只中のこの時代。多くの恋愛ドラマが流行するなかで、大衆雑誌が『クリスマスイブに、レストランで食事をしてホテルに泊まって、プレゼントをあげる』という”恋愛クリスマスの御作法”を作り上げたのだとバブル期の現象を説明した。 荒川氏が指摘するのは、「全員が恋愛している」と錯覚してしまうような、かつての「恋愛至上主義」からの“目覚め”だ。 「一人で食事している様子を皆がSNSに上げるようになり、『自分だけじゃないんだ』と安心感を持つようになった」 「世の中的に、一人でいることは『異常じゃない』『マイノリティじゃない』といった認識が広がった。クリスマスに一人でいることも本来は、マジョリティだった。7割が彼氏・彼女いないのだから」 荒川氏は、世の中のマーケティング事情は、「コンビニの棚を見れば分かる」と話す。 「今コンビニの棚に売っているクリスマスケーキは1人分。全員が同じものをシェアして食べなきゃいけないというような昭和の食文化ではなくて、一人ひとりが好きなもの食べればいい、といった”消費の個人化”が起きている」 2017年ごろから、「一人で食事する」ことに対する人々の価値観が大きく変わったそうだ。 「“ぼっち”という言い方は元々、揶揄言葉・いじめ言葉として使われていた。ランチする時に一人で食べている学生に対し“ぼっち飯”という名前を付けるなど。今や、一人でご飯を食べていじめられるようなことが、なくなった」 「いわゆる“ソロ活”という言葉が出たように、『一人で食事して何がおかしい?』といったノリになってきた」
■「若者の恋愛」にコメントしたくなる理由
「20代男性の4割”デート経験なし”」「“一生結婚するつもりはない”過去最高」 こういったニュースが報じられる度に、SNS上では多くの人に拡散されるし、コメントも集まる。 なぜ、これほど人々が「若者の恋愛」に関心を持ってしまうのか。 荒川氏によると、一つは、危機感をあおるメディアへの突っ込みだという。 「何も分かってないなと。いまさら何言っているのと。メディアの方が馬鹿にされている」 もう一つは、「近頃の若者は」と言いたくなってしまう、“おじさん世代”の性(さが)だという。 「一種のマウント。『近頃の若者は』というのは、もう何千年前から続いて、おじさんは若者を『近頃の若者』と言いたがる。今の20代の人たちも40年後は同じような、おじさんになる」 変わるものもあれば、変わらないものもあるらしい。 「恋人たちのクリスマス」だとか、「クリぼっち」だとか、なんでも枠にはめたがるのは私たちの悪癖なのかもしれない。 誰かと過ごすことも、一人で過ごすことも、それぞれの過ごし方を肯定できる。誰かと比べることはやめて、枠にはまらないクリスマスを迎えよう。
テレビ朝日報道局 稲垣保武
クリぼっちパックは、良いですけど、私は、注文したくないですね~!!!
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本日は、 【≪「若者の恋愛離れ」は本当か≫”クリぼっち商戦”拡大…背景に「恋愛至上主義」からの目覚め?】について書きました。